腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症は、加齢などによって背骨の神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、腰の痛みや足の痛み、しびれ、歩行障害を引き起こす病気です。特徴的な症状は、歩くと足の痛みやしびれで歩けなくなるものの、前かがみで少し休むと再び歩けるようになる「間欠跛行」です。放置すると歩ける距離が短くなり、日常生活に支障をきたすことがあります。
当院では、院長の脊椎外科での豊富な経験を活かし、お一人おひとりの症状に合わせた診断・治療をご提案します。お薬や注射、リハビリテーションを組み合わせた保存療法を中心に、痛みの軽減と歩行機能の維持・改善をサポートします。
こんなお悩みありませんか?
- 5分から10分ほど続けて歩いていると、太ももから足先にかけてしびれて歩けなくなる
- 歩けなくなっても、ベンチに座ったり前かがみで少し休んだりすると、また歩けるようになる
- 台所での立ち仕事や、信号待ちでただ真っ直ぐ立っているだけで腰や足が重だるく辛くなる
- 歩くときは自転車のハンドルを持ったり、シルバーカーを押したりして前かがみになると楽である
- 足の裏に何かが貼り付いているような、感覚の鈍さやジリジリとした違和感がある
- 病院で「年齢のせいで背骨が変形している」と言われ、リハビリや効果的な対策を知りたい
- 手術を勧められたけれど、できれば手術をしない方法で今の症状を和らげたい
腰部脊柱管狭窄症のメカニズムと主な症状
神経の通り道が狭くなる原因
背骨(脊椎)の中には、脳からつながる大切な神経が通る「脊柱管」というトンネルのような管があります。
年齢を重ねるにつれて、背骨の骨が変形してトゲ(骨棘)ができたり、骨と骨の間でクッションの役割をしている椎間板が押し潰されて膨らんだり、神経を後ろから支えている黄色靭帯が分厚く肥厚したりします。これらの加齢変化が重なり合うことでトンネルが狭くなり、中を通っている足腰の神経や、神経に栄養を送る血管が圧迫されることで発症します。
特徴的な3つの症状パターン
馬尾神経が圧迫されることで、両足のしびれや感覚低下が現れます。進行すると排尿・排便障害を伴うことがあり、早期の対応が必要です。
神経根が圧迫されることで、片側のお尻から足にかけて、坐骨神経痛のような痛みやしびれが現れます。
馬尾型と神経根型の両方の特徴を持ち、しびれや痛み、歩行障害などが現れます。
当院で行っている検査と専門的な治療法
狭窄の度合いと原因を突き止めるための検査
丁寧な神経学的診察
足の感覚が鈍くなっていないか、足首や親指を持ち上げる筋力が低下していないか、神経の反射が正常に機能しているかを医師が細かくチェックします。また、お身体を後ろに反らせたときに足の痛みが誘発されるかどうか(後屈テスト)を確認し、狭窄症の可能性を絞り込んでいきます。
画像検査(レントゲンなど)
骨全体の並び順(アライメント)や変形度合い、骨のグラつき(不安定性)がないかをレントゲン撮影で確認します。必要に応じて高度な精密検査(MRIなど)で神経の圧迫状態を正確に確認し、的確な診断を行います。
痛みを和らげ神経の血流を促す治療
血流を改善するお薬などの処方(薬物療法)
狭窄症の治療では、圧迫されて滞ってしまった神経まわりの血流を良くするお薬(プロスタグランジンE1製剤)が非常によく使われます。血流を促すことで、特徴的な症状である間欠跛行(歩行距離)の改善を目指します。さらに、神経特有の痛みを抑えるお薬や、筋肉の緊張をほぐすお薬、消炎鎮痛剤などを病態に合わせて適切に組み合わせます。
炎症を抑える的確な注射療法
お薬の服用だけではなかなか取り除けない激しい痛みやしびれに対しては、神経の興奮を鎮めて周囲の炎症をダイレクトに抑える専門的な注射を行います。血流を劇的に改善させることで、痛みの悪循環を断ち切る効果が期待できます。
背骨の負担を減らすコルセット処方
お身体を後ろに反らせると脊柱管がさらに狭くなり、神経の圧迫が強くなります。やや前かがみの楽な姿勢を維持しやすくするため、腰まわりを適度な硬さのコルセットで保護し、歩行時の負担を和らげます。
歩行機能を維持するための専門的なリハビリテーション
お薬や注射と並び、リハビリテーションは症状の改善や進行予防に欠かせない治療です。当院では、理学療法士などの専門スタッフが患者様一人ひとりの状態に合わせたプログラムを実施し、ストレッチや体幹・下肢の筋力強化、物理療法を通じて、腰への負担を軽減し、歩行機能の維持・改善をサポートします。